2月14日。
カーリーの伝手で、サイバトロン基地にはチョコレートエネルゴンが届けられた。
中には地球からのチョコレートや贈り物も混ざっている。
「はい、カーリー。これは僕とバンブルから」
「あら、素敵な花ね。ありがとう、2人とも」
スパイク、バンブルは照れ、そしてサイバトロンからも大量の花が彼女に贈られた。
「ありがとう、みんな」
そこに通信が入った。セイバートロン星からだ。
いち早く反応したのは――コンボイ。
テレトラン・1に映されたのは、エリータワン。
<久しぶりね、コンボイ>
「ああ、エリータ。しかし、昨日のように思い出せる」
<私達からのプレゼントは届いたかしら?>
「プレゼント?」
ごそごそと、大量の贈り物の中からカーリーは大きめの箱を引っぱり出す。
それは人間にはとても大きく、トランスフォーマー達にはちょうどいいサイズのもの。
「前に話したわね、日本じゃ女性が男性に贈るって」
箱をぺしぺしと叩きながら、地球の女性が言う。
地球のサイバトロン宛に届いたチョコレートエネルゴンは各隊員の名前が示され、型や大きさもバラバラだ。
特に、コンボイを含むアイアンハイド、インフェルノ、パワーグライドの4人宛の物はやけに凝っている。
「受け取った。ありがとう、エリータワン」
<初めてだから、味は自信ないけれど…>
「君の贈り物なんだ。美味いに決まってる」
ほのぼのとした空気に、特別なチョコレートエネルゴンを貰った3人が一喝する。
「しれーかん、自分だけ楽しんでないで、」
「俺達にも話させてください! あ、ファイアースター、美味かったぜ!」
もう食べたのかよ! と誰かがインフェルノに突っ込んだ。
彼を押しのけるように、パワーグライドはモニターに向かって手を振る。
「さすがだね、ムーンレーサーv」
2人が和気あいあいとするなか、アイアンハイドはひとつ咳をする。
そしてモニター奥にいる、ウーマンサイバトロンをじっと見つめた。
「作って…くれたんだな」
<…そういう気分になっただけ>
素っ気ない口調だったが、恋人の嬉しそうな顔を見て、クロミアは笑う。
しかし、幸せにすごすサイバトロン達はホワイトデーという存在をすっかり忘れているのだった。
――日本のお返しは、“3倍返し”だということを。