デスクワークもひと段落して、BGMとして流していた曲を止める。
敵を追いかけ、同乗したのはいいがこれといった呼び出しもなく、正直暇だ。
昔と違うボディに慣れたのはいいが、あの時の様な活気さはない。
「みんなどうしてっかなー……」
管理を任されていた巨体の友人は、1人になる時間が必要であると同時に歩き出した。有事(ゆうじ)には連絡するように言ってある。
けれども、故郷を離れる時と同じ感覚を味わった。間違いなく、第二の故郷だ。あそこは。
あの場所で隠れては会い、見つかっても黙っててくれた人は半分近くいなくなり。
一度決着をつけて、それからは。
「はぁ……」
タッチパネルの上にうつ伏せれば、胸部が締めつけられる。自覚すればするほど、想いは募っていく。
(緊急回線だけ開いて……一休みしよ)
そのままツインキャストは目(アイ)を閉(け)した。