「甘いな。もし俺がアンタの思っているような奴じゃなかったらぁ…どうする?」
「……」
「生ぃきるか、死ぬかぁ、この世は弱肉強食だ」
「…よく言われたな。もちろんそれは自然界のルールだ。強い者が勝ち、弱い者が負ける」
「力ある者が勝者だ」
「だが、力だけがあってはならない。力だけを奮う者には何時か厄災がふりかかる」
立ち上がり、ロボットは湖の向こう側にアイをすべらす。
「仲間と共に力を合わせる事が必要だ。1匹のライオンと数10匹の草食動物、どちらが勝つと言われれば草食動物だ」
「…どぅいうことだ?」
「相手は単体だが、こちらは数がある。弱くても力を合わせれば勝てるということさ」
ガサガサと葉が風に揺らされる。
「フレイム様!」
1匹の鳥らしきものが上空に現れ、茂みから寸胴なロボットが現れた。
「こちらにおいででしたか。して、そちらは?」
鳥らしき者が指の付いた翼でロボットをさす。
「…知り合いだ」
「フレイムというのか。風体に相応しい名だな」
「俺はぁ、」
ピーピー!
のほほんと言うロボットに訂正しようとすると、通信音らしきものが鳴る。
「…! すまない、もう行かなくてはならないようだ」
「お、おい」
「立派な仲間達がいるじゃないか、フレイム。大事にするんだ、彼らは君の大切な仲間だからな。力に捕われるなよ」
駆け出して行くロボットに、
「お前、名ァ前ェはあぁ?!」
聞かなくてもよかった。だが、同じビーストモードを持つ者として、迷いのないアイを持った者の名が気になった。
「−イ、だ」
背中からジェットが顔を見せバーニアが火を吹き、言葉は半分消されたが、ロボットはそのまま火山の方へと飛んで行った。
「……」
恐るおそる、恐竜型のロボットが近づく。 心配そうに鳥らしきものも覗き込む。
「トランスフォームゥ! 帰るぞ、テメェら」
「よ、よろしいので?」
恐竜型のロボットがドラゴンに戻った彼に尋ねた。
「ヤツにはヤツの居場所があるのだぁ。行くぞ」
『は、はっ!』
空には灰色の雲が広がり、星全体を包み込んだ。きつい雨が降り始めたなか、火山の方へ顔だけを振り向かせ、フレイムコンボイはまた歩き始めた。
これから先、彼は力に溺れてしまうことになる結末を悟ることもなく…。
教え手のサイドスが言う事も聞かず、またその知り合いだったビーストモードを持つ、彼の話すら…これは、宇宙が飲み込まれそうになる大分前の話。
To be contenu GALAXY FORCE-Animatoros Planet-...?