赤く燃ゆる太陽よ
イカロスの翼 焦がし尽くして
なお 大事なモノ奪うのか
溶け込むように、体は焼き尽くされた。
乗せていた少年を降ろし、持ち前のスピードで急いで救出に向かった。
しかし、
「スパークは回収できましたが・・」
自分達の「心臓」部。不幸中の幸いとでもいうべきか…。
回収したかったのは心臓だけではない。体ごと、だ。
敵の刻印を刻み込まれ、苦しみながらも、最後まで仲間でいた。
囮になって敵を呼び寄せた紫のマークは、光熱によって元の赤いマークへ戻った。
少年の声に、<すぐ戻る>と言った。
全てを消し去ってから、と。
約4000度の灼熱よ
名だけの水星 燃やし尽くして
なお 大事なヒト奪うのか
渡された筒には自分の名の一部があてがわれそうな色の光が入っていた。
正面に立つ自分達のリーダー。
ゆっくりと額部に手をあて、敬礼する。
リーダーも、ゆっくりと敬礼した。そして「頼んだぞ」と。
必ず、そんな言葉を必要とするほど光となった仲間を想っていた。
誰もが仲間の帰還を望んでいる。
体はなくとも、仲間の意思・心そして――「魂」がある。
ビークルモードへ変形、ワープゲートへ入る。
(お前が帰ってくるのを一番望んでいるのは、この俺だ…)
火は灰を残し、山を成す。全てを焼き尽くさぬ。