「この花みたいに、みんながついてるから怖くなくなった。それだけは、確かだ」
冷たい風は多くの花弁を散らすが、木の花はなくなる気配がない。
少年は戦士として一人の人間として大きく成長した。
「また来年も来ようぜ、相棒!」
「大ケガするんじゃねーぞ、ロードバスター?」
「んなっ?!」
気合すらも軽くあしらわれ、呆然となる。
「言ってくれるねぇ。ま、何時までもガキじゃねーわな。俺がそれを一番分かってるぜ」
ビシッと親指を立てるスカイファイヤー。宇宙に彼を連れて行ったのは自身だから。
「うむ。彼には色々と世話になっているしな…時には勇気を貰った。心配するほど子供ではない」
「俺たちも大分助けられたよな」
「ああ」
父親として認められ、相談相手として、語りかけてくれ、彼にはこちらも助けられている。
寿命が短く傷付きやすく弱い存在かもしれない。だけど心にある強さは誰よりもこちらよりも大きいだろう。
宇宙には惑星が瞬き、この場では花が輝く。
結局、少年は皆から好かれ愛されているのだ。
余談。
持ち帰った重箱についていたキッカーの使っていた箸を巡って、小さな争いが繰り広げられた。
『これは私・俺・自分のだ・です!!』
勝者はご想像のままに…。