リピートされるナイトスクリームの言葉。
 本当にそうなのか? 敵(デストロン)になった者は二度と戻れなくなるなど?
 ならば彼は・・・インフェルノはどうしてエネルゴンスターを受け取った?
 どうして太陽へ突っ込んだ? 呼びかけに応えた?
 インフェルノは叫んだ。肩に敵のマークを浮かべているにもかかわらず。
『味方(サイバトロン)』だと。
 自室のベッドで仰向けに寝転んだキッカーが思い出していたのは何も、ナイトスクリームの声だけではない。
 敵のエンブレムを消す為、太陽へ突っ込んだインフェルノの姿。
 ここは地球がある宇宙ではない、別のところだ。太陽の温度も違うかもしれない。なにせ、太陽の熱はエネルゴンと呼ばれるエネルギー体。
 地球にもひつようとされる物質だ。
 ボディは燃やし尽くされ、インフェルノは光だけとなった。
 トランスフォーマー達にとってこの光はスパークと呼ばれる、いわば心臓部。
 せめてもの救いなのだろうか? 「形」として居ないことにはかわりはないのに。
 深紅の光が入った筒を飛行タイプの副司令官がスペースシャトルへ変形し、飛び立ったのをキッカーはじっと見ていた。
 どうか無事に戻ってきてくれることを願い。
 何故オーシャンプラネットはこんなにも地球に似ているんだ、と吐いた台詞の後には1粒の雫が落ちた。
 塩からい、1粒だけの。

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