誰が造(つく)ったのだろう。この『モンスター』を。我々トランスフォーマーを。
何時から戦い続けているのだろう。サイバトロンとデストロンは。
何億年も何億万年も前の事、生まれる前から…。
両手から放つ電磁波を目の前の惑星にぶつける。何度も何度も傷つけても、その度に再生される。
仲間の死を期待を裏切らないようにオメガスプリームは攻撃し続けた。
<――オメガスプリーム>
通信回路を伝って呼ばれる名前。
中性的な声は今では全てのトランスフォーマー達の祖、
「プライマス…」
<私も行きましょう。このままでは『ヤツ』に全てを喰い尽くされてしまいます>
ゆっくりと背後で何かが動く気配がした。
ギ、ギ、ギギ…ギ
しかしそれよりも早く、『ユニクロン』が変形しチェスターを開き始めていた。
自らのエネルギーを溜めて放つ、ビーム砲の準備が始まったのだ。
「くっ!」
バチバチッと電磁波を放つ。体の周りに電磁波で作ったバリアをはり、突進していく。
ビーム砲が、発射された。
「プライマスッ!」
間一髪避けたオメガスプリームは叫んだ。
しゆゅううぅ…
硝煙の中から現れたのは、故郷・セイバートロン星――否、『プライマス』だった。
バリアをはり、ビームを分散させたのだった。
<…………>
光と闇(シャイニング・アンド・ダークネス)。
惑星トランスフォーマー同士が向かい合わせに浮かんでいた。
張り詰めた空気がオメガスプリームの体を押し潰しそうになっていた。巨大な力と力がぶつかり合うそれに。
<オメガスプリーム。貴方は離れ、『彼』の弱点を探ってください>
攻撃は自分に任せて、と。神々しいまでに美しいその姿は正に”神”と呼ぶに相応しかった。
全てのトランスフォーマー達の祖、創造神。
『ユニクロン』が破壊神の悪神であるならば『プライマス』は創造神、善神…。
対を成す者同士、力は計り知れない。
真空の宇宙に、通信回路を伝って銃撃音が鳴り響く。
コオオォォ…
叫び、再びビームを発射する。
紙一重でかわし、電撃ビームを放つ。
また、全身に装備された銃からも発砲したりと『破壊神』を攻撃する。
勝者はどちらか。女神の微笑みは。
(…! ヤツの弱点、見切った)
ビュウッと変形し、肩で息をしている『故郷』に近付く。聴覚機能部付近に行くと、
「プライマス、ヤツの”眼”を狙え!!」
バリアを張らず、攻撃を受けるさい何故か顔だけ、それも目元を中心的に庇っているのだ。つまり、そこに『星帝』の重要機関が集中しているという事。
ぐ・・
腕を動かし、溜める。
光の粒子が集まる。
<マキシマム・ビッグバンッッ!!>
――オオオオォォォッ!!
大爆発が起こり、輝きがその場一帯を包んだ。
声がする。
中性的な静かな声が。
<…オメガスプリーム…>
「プライ、マス?何処だ、何処にいる?」
『故郷』は再び元の姿へ。
<戦いは終わりました。しかし衝撃で私自身のスパークは何処かに落ちて自力では脱出不可能です>
「私が…」
<いいえ。その必要はありません。貴方は帰還し、仲間達に終わりを告げるのです>
「……分かった」
<…………>
決して分かるはずもない表情はフと笑った気がした。
「…だがその後は私は眠りにつく。再びこの宇宙が危機に晒されようとする時まで」
答えはない。
「知恵と勇気、信頼という名の元に統べるべき者が現れ出でたならば私はその者を試す」
<……>
「訪れぬ事が、1番良いのだが」
<…そうですね>
歯車は止まり、刻を経て、廻り出す。
止まったオルゴールを再び奏でさすかのように――……。
To be continued Super Link-1-?