「ん、インフェルノ。記憶は戻ったのか?」
「ああ」
「そっか…で、今日までのデータは?」
「残している。…迷惑をかけたな」
「お前らしいな、ホント」
ははっと笑うホットショット。
ふとインフェルノの左手に気がつく。
「未来は過去からしか生まれてこない、ねぇ…」
とスカイファイヤー。
10年前にも地球に訪れたことのある2人は指輪の意味を知っていた。
相手は察しが着く。
誰よりも記憶をなくした時も、それ以前から彼を信じ愛し続けた人物。
『おめでとうございます、コンボイ総司令官』
ホットショットとスカイファイヤーは本人に同時に言った。
虚をつかれたグランドコンボイは驚き、頬を染めてたじろいだ。
意味がわからないロードバスターは頭にクエスチョンマークを浮かべ首を傾げるばかりだった。
数週間後。
防衛参謀は変わらず仕事をこなしていた。
チームコンボイの中にラディバックの姿はなかった。――彼はチームを抜けた。
元々、インフェルノのサポーターとして入った彼は「役目は終わった」と言い抜け、今は死神の看守を務めている。
事件からだいぶたち、みんなが忘れそうなくらいになった時、嵐はやって来た…。
―銀河の警護は、平和を願っての―