振り回された結果があれだ。
だからこそ、腹が立つ。
「なんか、冷静になれた」
この少年もさんざんに振り回され、明日には決戦が待ち構えている。それなのに。
「旅をしようと思ってる」
見つめる先は明日の結果よりも、未来の事。あれがなければ誰も傷つかずにすむと考えている。
人は人を傷つける。あれがなくても、だ。だが、今回はあれがあるからこそ巻き込まれたものなのだ。ならばその元凶を叩くのは道理。
「お前は? どうするんだ」
語るだけではとどまらない。行動することを知っている。それに同意し、救ってくれた存在とならば。
「勝手にしろよ、もー」
共に進もうと歩を出す。
どちらかしか選べないのなら、この身など。
結局は同じだったのだろうかと考える。けれども、やはり違うのだろう、と。