「ね、もう帰っていい？」
「駄目だ」
「…クラパパ、酔ってる？」
「わたしはいたって真面目だ。酔ってなどいない。…移動するようだな」
「クエスト破棄…」
「ここではできんぞ。あきらめるんだな」
「え、ちょっ、なんで帰れないの！？」

「じゃあ行くぞカイル！」
「ロイドも手加減しないでよ！」
「2人ともがんばれ〜」

「っ、そこは突きだろう！」
「…………」
「お前は二刀なのだから有利のはずだろう？　詠唱は止めろとあれほど…」
「…………」

「これが受け継がれた剣だ！」
「いっけーカイルー！」
「ぐっ…にゃあああぁぁぁ！？」
「か、勝った…？」

「ああっ、今すぐライフボトルを、いや今ここで蘇生しては為にならん。しかし…おいスタン、いくら知らないとは言え息子とハイタッチをするな！　そんな暇があるならロイドを蘇生しろ！」
「……クラトスー、帰っていいー？」
「今すぐ助けに、いやそれでは、駄目に決まっている」

「いたた…前より強くなったんじゃないか？」
「そ、うかな…？」
「うん、術の詠唱も早くなったしいいんじゃないかな」
「本当！？　父さ…スタンさん！」
「俺も負けてられないな！」

（これわたしいなくてもいいよね。クエストじゃないよね、これ）
「帰ったら修行だな。闘技場がいいだろうか、あそこならば腕の立つ者もいる。ああ、依頼をだして直々に、いやそれは手間だ。ここは素直に稽古をつけ」
「――これで決める！」

「あれっ、父さん！？」
「お帰り」
「ローズ、なんでクラトスさん引きずってるんだ？」
「それにクラトスさんの背にあるの、羽…？」
「うん。戦闘不能になったんだけど、ライフボトル切れてたし材料なくって」
「クラトスを倒すなんて…俺もほんとがんばらないと！」
「あ、カイルは今度からロイドくんは外して。どうしてもって時はクラトス連れて行って」
『へ？　なんで？』
「スカタンハモってる。わたしが疲れるから」
「…なんか、分かった気がする」

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