ロイドくん達の世界にシルヴァラントとテセアラという世界があって、クレスくん達の世界にシルヴァラントとテセアラという月がある。同じ名前でも、それはまったく別のモノ。
世界樹だってそう。『グラニデ』の世界樹は彼らの世界樹とは違うのだから。
「要するに、『平行世界』って訳だ」
「決して交わらない、けれども同じ道を歩んでいるであろう別の世界。そういう事だな? ローズ」
クラパパの言葉にわたしはこくんと頷いた。
ふわっと体中マナが満たされていく。…んむ?
「ローズ、なんか体光ってるぞ?」
「マナの光…だな。負がなくなりつつあるのかねぇ?」
「よく分かんないけど…たぶん、そうかも」
わたしはディセンダー。マナの化身と呼ばれるから、世界樹の喪失していたマナが増えてきたのかも。
介添人を見上げれば小さく頷かれた。
船に戻り、みんなに今の世界樹の現状を伝えた。日を改めて調査しに行くらしい。
「俺たちの世界の月の名前が、ロイド達の世界の名前たぁな」
「でも…月の名前とは素晴らしいです」
「なんだかもっとロイド達のこと知りたくなったよ。話せる範囲でいいから、聞いてもいいかい?」
「あたしもなんだかわくわくしてきちゃった!」
「2つの世界…興味があります」
一応、同じ名前があるということだけ伝えればチェスターをはじめとして、ミント、クレスくん、アーチェにすずまで興味を持ってしまった。女の子からの質疑にゼロスくんは嬉々として語りだすし、渋りながらも精霊に関する話があることを知ったリフィは遺跡モードになっちゃうし…。
一応、丸く収まったのかな…?
それにしても…なんで2つ、3つ? の世界の話をしたらマナが満たされたんだろう。石版みたいにパズルのピースを嵌めることで何か噛み合ったのかな。
ん、でも大事にならなくて良かった。険悪になるよりも仲良くなるほうがいいもんね。