「女、ディセンダーはどうした」
「ゲーデ…。あのね、」
***
寝たからかちょっと体が軽くなった。相変わらず光ってるんだけど。
今は大事をとって、医務室ですごしている。依頼は他のみんなが手分けしてやってくれてるんだって。なんだか申し訳ないな。
女性陣がたまにお見舞いに来てくれるから、退屈はしないんだけれど。
「おいっ!」
「だめだってば!」
挨拶もなしに、ゲーデが入ってきてその後ろには彼の右手を押さえているカノちゃん。
「ゲーデ、あまり近づいちゃだめだよ。姿が消えちゃう」
「そんなことを言っている場合かっ。ディセンダーが倒れたと噂になっているんだぞ!」
神出鬼没の彼にまで知れ渡るくらいになってるんだ。ディセンダーってだけでここまで…人って分からないなぁ。
カノちゃんを見ると申し訳なさそうな顔をしていた。彼女ががんばってくれてるのは分かっていたから、頭を撫でる。気にすることはないんだから。
「でも、そろそろわたしも仕事しないとね。みんなに任せっぱなしはだめだし」
「ローズ…」
「…じゃ、ないだろ…」
無理はしないで、というカノちゃん。ゲーデはうつむいて何かを言う。
「ん?」
「そうじゃないだろっ! お前は今、抱えきれないマナをため込んでいるんだぞ!? かつての俺のように、マナに飲み込まれてしまうかもしれないというのに!! 怖くはないのか!?」
「怖いよ」
「なっ…」
「心がいっぱいで怖い。せっかく余ってるんだから、みんなに分けれたらいいのにって思う。でも、その方法をわたしは知らないから。ああ、ニアタもマナが不足していたんだっけ。分けてあげれたらなぁ」
なんとなくだけど、ふわふわと体が中から暖まる。ん、自分の光で2人がぼやけてきちゃった。
「ごめん、ちょっと寝る…ね」
「…くそっ」
「ローズ…え、ゲーデ何するの? やっ、やめてー!!」