逆らえぬ、来たりし“刻”。うごめく“何か”。
 対が欠けて、ひとつになる。
 リセットしようというのか、全霊をかけた者達を無視して。――させはしない。我が身を持たりて、防ごうぞ。


 大きく揺れる故郷にサイバトロン達は慌てた。
 3つのプラネットフォースとマトリクスの輝きが差し込まれたチップスクエアをセットしたまではいい。
 トランスフォーマーの神がそう指示したのだから。
 何が起きるかは教えずに。
 ベクタープライムによれば神が復活するはずだ。
 しかしどうして故郷に地震が起きている? 星事態が壊れそうな程に揺れている?
 だが故郷は壊れなかった。
 そこは丸い形を変え、1体のロボットへ成っただけだった。
 セイバートロン星の…プライマスの復活。
 王冠を冠っているかのような頭部、全てを見通すかのようなイエローアイ、凛々しい青年の顔、肩と腕に太腿にあたる場所には武器が備わり、胸の中央部には鍵穴がある。
 全体的に空色を思わせる配色だ。
 サイバトロン達は全員感嘆の声を漏らす。
 巨体だからというのもあるが、神と呼ばれるのに彼は相応しいいでだちだったからだ。
 これが、最後の希望。 どんな手段を使っても、時間の破壊者は消えなかった。
 だが神の力ならば消えるというのだ。残された時間は余りない。

 10年以上前だろうか。
 ある一室に少し黄色が混じった白く輝くものがいた。その大きさに対して部屋はただっ広く、訪れる者は殆どいなかった。
 そこに、声がする。
<…私の指示に…>
 淡く輝くものからその声は出ていた。
 低くも高くもない中性的な声だが、男性であることは分かる。
 それはプライマスのスパーク。

 新たな太陽が生まれ、平和が訪れるはずだった。
 しかしバランスが崩れたのだ。
 朝と夜があるように、陰と陽があるように、光と闇がある。2つで1つ。
 どちらかが欠けてはならない。
 欠けた結果、時空の破壊者が生まれた…。
 最後のプラネットフォース。それがある場所は。
<星の名は、ギガロニア>
 今は過去の失敗で別空間にある星。さあ、サイバトロン達よ。どう動く?
 怖れられる闇に望まれる光。力を求める者も2つに別れる。しかしどちらか一方が限度を越えればどちらかが押さえてやらなければならない。
 だから、消滅した時は驚いた。“彼”は生きていないのか?

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