二つ目のプラネットフォースは、グレートレースの優勝カップだった。
星の掟に従い、サイバトロン軍はエクシリオンを徹底的にサポートし、レースへ出場することになった。
双子でレースに出るときは順番で、今回はオーバーライドが出場していたのだが、途中、デストロンの仲間入りをしたスピーディアのお邪魔コンビの妨害にあいってしまう。ピンチに陥ったオーバーライドをエクシリオンが助けたのだ。
「What!? How do you, Did you help me!?」(何故だ!? 何故私を助けた!?)
「なんでって…困ってる奴をほっとけないさ。これが俺のサイバトロン魂ってやつさ!」
トランスフォーム、とエクシリオンは三位だったトランスフォーマーを追い駆けて行った。
「…Autobot,Spirit…」(サイバトロン、魂…)
呆然としていたが、すぐに追い掛ける。
停止映像が映し出したのは、新たな勝利者。
プラネットカップは、同時に新しい仲間を作った。
「Pinch in garxcer.Isn't
you.I but think so.」(宇宙がピンチなのに協力しないってのいうのはね)
「そーなると、秘密基地にも専用レース場が必要になるな♪」
何回でも対戦したい、とエクシリオンはうきうきと言った。
「駄目だ。お前はしばらくレースは禁止だ」
「ええ〜っ!」
医者のファストエイドから止められ残念がる彼に、回りは談笑したのだった。
「おーい、エクシリオン。定期メンテナンスするから、こっちに来てくれ」
少し離れた所で治療用ベットを挟み、ファストエイドが立って呼びかける。
「りょーかい。まったく…いつになったら終わんのかねぇ…」
ギシャと立ち上がり向かおうとするが、オーバーライドにくいっ、と腕を引っ張られる。
「Hot..e,Excere.」(Hot…え、エクシー)
その意味がどういったものか理解したエクシリオンは、
「ん? …ああ、お前も来るか?」
ほら、とオーバーライドへ手を差し向ける。頬を染め、彼女は嬉しそうに手を置いて立ち上がる。
医者の元へ行き、メンテナンスを受けた後、
「ん、もう走ってもいいぞ。ただし、ウォーミングアップくらいだがな」
ファストエイドからドクターストップが解除された。
「! Excere!♪」
「わわっ!?」
エクシリオンに抱き着くオーバーライド。
「どうやらまた一緒に走れると思っているようだな、彼女は」
「嬉しいのは分かるが…どうも、慣れないんだよなー…」
仲間入りしてからオーバーライドは喜んだり嬉しかったりすると、エクシリオンに抱き着くようになった。
彼女なりのスキンシップなのだが、そういう環境で育たなかった為、エクシリオンは苦笑する。
「いいんじゃないか。彼女は君が好きなんだし」
「でもなー」
「…気付いてないのか」
「? 何か言ったか?」
「いや」
ファストエイドは呆れて立ち去ろうとする。
「あ、おい。何処に行くんだ?」
「お邪魔虫は退散するよ。ゆっくりしてこい」
がしゃがしゃ……。
「ファ、ファストー!?」
意味がわからず、エクシリオンは叫ぶ。
「…Why?What do you,Excere?」(…ん? どうかしたの、エクシー?)
「(ファストエイドの奴〜、覚えてろよ!)ぁ、いや…」
答えて、エクシリオンはオーバーライドの顔を見ないようにした。興奮して赤くなった顔を見られないように。
「…Excere.」
「ん?」
「I,I Love you, not team
member who like but you are love!!」(私好きなの。チームメンバーとして好きなんじゃなくて、あなたを愛してるの!!)
「…え? え?」
突然彼女は早口で自分の気持ちを伝えた。勢いに圧倒されて、すぐには理解できなかったが…、
「I Love youって……!!」
理解した途端、真っ赤になる。
場所は変わり、メインルーム。
「ファスト、どうだ?エクシーの調子は」
「順調です。次のメンテナンス日には回復しているでしょう」
「そうか。…次の時にはエクシリオンにも同行してもらうか」
「彼に?どうしてです?アニマトロスは、自然の大地そのものです。スポーツカーにトランスフォームするエクシリオンには適切とはいえませんが…」
外では顔を赤く染めたエクシリオンが頭を抱えていた。
(落ち着け〜俺! I love youはあい、愛してるって意味だったよな…? 確か。じゃライドは俺を愛してるって? ……なんで俺??)
「…Excer?」
(いやっ、確かにライドは俺も好きだ! だがそれは仲間として…)
「…………」
(だあぁぁっ?! 落ち込むな!! キライとか思ってねぇよ! むしろ…むしろ?)
「…? Excerion?」
頭部をかきむしっていた彼が動きを止めると、オーバーライドは不安そうに名前を呼ぶ。そして当の本人はきっ、と彼女の方へふり向く。
(俺…馬鹿じゃねぇか…ライドに告られるまで気付かなかったなんて……)