夜―。
チームコンボイはキッカーとミーシャに呼ばれ、地球に来た。
はい、と渡されたのは棒のようなもの。
「せっかくですからみんなで花火大会しようってなったんです」
「花火? この小さいのが?」
ウイングセイバーが首を傾げる。
「でかいのもあるけどよ、まずはそれからだ」
スタンドに立てられたローソクの炎にじゅっ、とキッカーは自分の棒に火をつけた。
パチパチ、パチパチッ
ゆっくりそして勢いよく火花を散らす。
「どうだ? 打ち上げ前の余興には持ってこいだろ?」
感嘆して声の出ないトランスフォーマー達に、まだ驚くのは早いとばかりに、キッカーは笑いながら言った。
二、三本全員で楽しんだ後、ミーシャがスタンド付きの太い棒を持って来た。
「見せてやるよ、ロードバスター。これが花火だ」
ギ、と下を向くがすぐに正面へ向き直る。
しゅぼっ、ぼ・・
ライターの火で導火線を点ける。
シュルルッ、しゅっ…
あっという間に導火線は燃え尽き、筒からなにかが上空へ飛んだ。
しゅっ…パアァァンッ!!
大きい音を立てて、光の花が咲いた。
連続して咲く夜空の花を見て感嘆する超ロボット達。距離を置いて立てた打ち上げ用の筒の導火線に火を次々と点けていくため、暫く咲いては消え、咲いては消える花がとじることはなかった。
「ほんとに…すっげーもんなんだな、花火ってのは」
「だろ?」
エネルゴンタワーから発せられるエネルゴンバリアの様子をキッカーは花火と例えた。
打ち上げ、爆発するイメージから。
地球の言葉をあまり知らないロードバスターに彼はすごいものだと答えた。
「最後はこれですね」
「ミーシャ、それは?」
「線香花火というものです。心が安らぐので、この花火を作った国ではこれを一番最後にやるそうです」
ホットショットの問いにすらすらと答える。