神の使いとも象徴される、生きる者の憧れ、――不死。老いを知らず、死する事もない。
炎の化身――――。
甦ったプレーンプラネットに生体反応があった。
今までジャングルプラネットにしかなかったのだが、調査によると植物以外の、動物らしき反応が確認されたのだ。
グランドコンボイは先に、ロードバスターとキッカーのコンビを向かわせた。
「ロードバスター、ちょっと寄ってくれ」
「え、何処に……ああ、分かった」
ビークルモードで滑走する4WDの運転席にバトルスーツ姿で座っている少年が頼むと、4WDはハンドルを切り少年が望む場所へ向かった。
巨大植物の周りを通り過ぎ、小高い丘のような場所の前で停まった。丘にはやや太めの石のような棒が縦に突き刺さっていた。
キッカーは相棒から降り、相棒は変形し、後ろから着いていく。
サアアア…
静かに雨が降り、二人を濡らす。
薄暗い中肩の巨大ライトで丘を照らしてやる。
棒の前でヘルメットをとり脇に抱えると、しゃがみこんで瞼を閉じ手を合わす。簡素だが、そうこれは“墓標”――。
暫くして、チームコンボイが降り立った。
「まだ連絡はありませんね。一体何処で油うってやがるんだか…」
白いスペースシャトルが、大型トラックの傍をふわふわ浮かびながら、運転席をカチカチと光らせた。
「この雨だ。難航するのは仕方ないだろう」
トラックもライトを光らせながらシャトルをなだめる。
(もっとも…寄る場所は検討つくが)
チームコンボイは走り出した。
お参りを済ますと、ロードバスターは変形し、ドアを開けた。
「? どうした?」
「…いや、なんでもない」
乗り込もうとしたキッカーは立ち止まり、墓標近くの木を見上げたのだった。しかし、何もなかった為そう答えた。
オールドグリーンの車が去ると木の枝に光るものが居た。
合流する頃に、雨は上がっていた。
センサーを働かせながら、走るチームコンボイ。濡れた土がはね、ぐにゃぐにゃとぬかるんで走りづらい場所が続いた。
「おかしいですよ…生体反応はこの辺からしていたのに」
グレーのスポーツカーが呟いた。
「動物ならば移動していると考えた方がいいだろう」
「にしては、やけにスピードが早いな。…鳥か?」
ダークブラウンのクレーン車が応えると、スポーツカーはまた呟いた。
キイイィィン…
髪が、光った。
『!?』
4台の車とスペースシャトルの上空を何かが通り過ぎた。
「コンボイ!あれだ!あれを追えば…!!」
金色に光りなびく髪のまま、キッカーは叫んだ。
「よし、追うぞ!」
『了解ッ!』
ぬかるみに足をとられることなく、車達はスピードをあげた。
質素な墓標にひとつの影がさした。人にしては大きく、ごつい影が。