あちこちで爆発音がする。ひとり、2人、さんよん、…一気に5人ずつなんて軽く倒されてしまう。
否、『喰われる』者も他大勢いた。
どおおおぉぉぉんんっっ…
巨大な音は通信回路を伝って聴覚機能へ達する。
機械惑星・セイバートロンから飛び立った者がいた。
名は、オメガスプリーム。やや遅れてガーディアン、スペリオンの兄弟。
「本気なのか? オメガスプリーム」
「…………」
ガーディアンの問いにオメガスプリームは答えない。いや、無言こそ返事。
「全く、はた迷惑な奴だぜ。簡単に我等の母星を喰われてたまるか!」
気合いを入れ、弾の嵐を翔け抜けて行く三機。
目指すは角の生えた惑星――『ユニクロン』。
周りの小惑星やサイバトロン・デストロン達は吸い込まれていく。
星一つなど、軽く飲み込んでしまうその力にただ黙って見ているトランスフォーマー達ではない。
戦うために生まれたとはいえ、『ユニクロン』は異例だった。
自分に抗う者全てを敵とみなすのだから…。
三人の軌道上を防ぐ者がいた。
デストロンの2人組だ。
「ブルーティカス! ビルドロン!」
スペリオンが名を叫ぶ。ここに来てまで邪魔をしようというのか。
「いい加減、諦めたらどうなんだ?」
溜息をつきながらガーディアンはこめかみを押さえた。
「ヤツが猛威を奮う前に我等の手に渡れば、すぐに片付けられる」
「それをお前等が拒んでいるから、時間がないのではないか」
「貴様等デストロンに、スーパーエネルゴンは渡さない!」
ブルーティカスとビルドロンは淡々と答える。それに対しガーディアンは、はっきりと言う。
3人が言い争う中、スペリオンはオメガスプリームに近づき、
「先に行っててくれ。此処は私達が足止めしておく」
「…大丈夫か?」
「時間がない。…次に会える時は平和になっているといいな…」
「スペリオンッ!」
ビュウッ、と飛んでいく仲間を名前を呼ぶしか止める事は出来なかった。
ドォン!
爆発音を聞きながらオメガスプリームは『ユニクロン』に向かった。
背後ではガーディアン達がブルーティカス達と共にセイバートロン星へ落ちて行った――……。